詩歌

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慕い求める―肉を認識することを

310

1
手腕にたけたヤコブのよう, われ負けたことがない;
生死のさかいにいたるも, まだなお自己にたよる;
負けたくないがゆえに, ちから尽くし,けいりゃくす。


2
エサウをおそれながらも, 自己はつよく,ごうじょう;
わがさい後の日をおそれ, ちからのかぎり尽くす;
主が来てかく闘すると, ひっ死にもがきつづける。


3
不思議!過去の経験もちい, かく闘すも,主たおれず;
わがちから減しょうするが, かれに報ふくの意なし;
われはあとにも引けず, だいたんにようきゅうする。


4
このかつてないあい手が, その名を告げられても,
たたかうあい手,わからず, ただその偉だいさ知る;
われ,しゅくふくをせまり, しゅくふくひたすらもとむ。


5
夜明けまでしょう負つかず, 主にしゅくふくをせまる;
「なれは勝ち」と主に言わせ, イスラエルと呼ばれる;
もものつがいがはずれ, われ,あしが不自由となる。


6
いま,照らされ,理かいした, 真のしょう利はなにかを;
わがもものすじをはずし, かれのしょう利をしめす;
かれはしるしをのこし, わがおろかさを警こくす。


7
瞬時ひかり,こころ満たし, 洪ずいのよう押しせまる,
無限の栄光は礼はいさせ, 身をかくすようせまる;
おかしたつみのおもさ, 無軌どうとけがれを知る。


8
あわれにも,かつておもう, 創造ぬし,かみに勝ったと!
なんという無知なことよ! なんというわざわいよ!
わが手もて,主にそむき, 主よ,ゆずれ,と主にせまる。


9
主は何という栄光のかみ, 万軍の主,何というこう輝;
主がだれか,ひとたび知り, いかなるかたか見れば,
われさけび,なみだして, 悔いあらため,ひざまずく。


10
かみの御かおを見て,なお, かみに対抗し得ようか?
されど,たいこうしたわれ, あなあれば,はいりたし;
このわれがほろびずに, 消え去らないのはなぜか?


11
なにもわからずたかぶり, それゆえ盲もくになる;
かみに勝ったとおもうと, おそろしさ禁じ得ない:
われ全身無りょくになり, ふしぶし,はずれ,くずれる。


12
いまおもうに,わがしょう涯, 堕らくと腐はいに満つ:
われはかみを犠せいにし, おろかにも満ぞくする;
自己の要求を通すこと, しゅくーふくとおもい込む。


13
われはなんと自己ちゅう心, ねがいあればふくさせ,
主ちょうあれば案ばいさせ, このみあれば譲歩さす;
わがはたらきのために, かみをうごかそうとする!


14
世にこのようなひとあり, 傲慢,がん固,だますもの!
主よ,われまことにヤコブ, 腐はい,こうかつさに満つ;
ただあわれみをのぞむ, 主よ,われをたい処しませ。


15
あわれみはももにさわり, めぐみはしるしのこす;
わすれると,もものつがい, われにおもい出させる;
イスラエルとなるとも, ヤコブはあしが不自ゆう。


16
われ降ふくし,なれは勝つ, 主よ,勝利はなれのもの,
なれ負けてくださったゆえ, われ負けることねがう;
生がい,おそれおののき, 御むね成し,御名をあがむ。




慕い求める―自己を離脱することを

311 (英413)

1
主よ,われさぐり, 単いつにしたまえ;
霊のなかまずしく, ただなれをもとむ。


2
高慢な自己より, きんせんよくより,
虚えい,私よくより, はなれさせたまえ。


3
傲慢にするもの, すべてのぞきませ;
なが意志にふくし, へりくだりて伏す。


4
おさな子とさせ, 知恵,ちから,のぞけ;
主のひかりのなか, ちから受け,あゆむ。


5
主の愛のむねに, わがたましい,いこう;
かみのへい安にて, 全存ざい満たせや。


6
日々,賛美満たし, われを生かしませ;
死にいたるもなお, ながしゅつ現を待つ。




慕い求める―自己を離脱することを

312 (英414詩)

1
主はわがあんそく, まったく享受し;
自己から解かれて, 主で満たせや。


2
ああ,こうかつな自己, もがき,あえぎ,
主とわが霊を裂き, 安そくうばう。


3
「すべてひつよう」と, 自己はだます;
「主にある安そくで 十ぶんか?」と言う。


4
安そくをもとめて, 自己,離だつす;
王として支はいし, 管理したまえ。


5
主の手にいだかれ, 自己によらず,
主のめぐみにより 生かしたまえ。


6
めぐみの主イェスよ, 自己をくだき,
なれのみかたちを あらわさせよ。




慕い求める―自己を離脱することを

313

1
欺まんに満ちた自己, 脱がせたまえ;
聖のわざ成すのは, ただなれのみ。


(復)
自己,脱がせたまえ, 自己に善なし;
くらやみのゆえに, たかぶるわれ,
自己,脱がせたまえ, 御むねのため。


2
つみをのぞくよう, さけび,いのる!
自ぶんを見るほど, 不満おぼえる!


3
この不安はなにか, ばく露しませ;
良しんのうったえは, 何のつみゆえ?


4
主とのへだてあり, 交流,断たれる;
このへだてなにか, 問だいなにか?




慕い求める―自己を離脱することを

314 (英415)

1
ひそかなてきあり, おそろしいもの,
つみよりも狡かつ, 魅りょくもある。
それはつよい自己, わがままな自己;
自己が死ねば,主は, わがうち生く。


2
つよく,ちからある, 天然のひとは,
自しん,自慢,自己愛, 自我に満ちる。
自己を拒ぜつして, 死にわたすとき,
霊のカナンにすすみ, 主をきょう受す。


3
御座うばう自己を, はなれさせよ!
ながうちに「われ」が なくなるまで。
自しん,自己満ぞく, はなれさせよや;
なれをちからとし, 住まいとする。


4
自己ついきゅうより すくいたまえ;
われをさいだんに ささげさせよ。
傲まん,ほこりより, 主よ,すくいませ,
主をほこりとして, たかく上げる。


5
猛れつないき吹き, 自己ほろぼせ;
もはや立てぬまで, 自己ほろぼせ。
栄こう満ちるとき, だれも立ち得ぬ;
栄こうわれに満ち, 自己死なせよ。




慕い求める―自己を離脱することを

315

1
くちびるとおもいは, けがれ,失ぱいのみ;
のぞみすべて失せても, なおめぐみたもうや?


2
聖のなかに行為あり, 謙遜も自己による;
悔いあらためのなみだも, 血のあらいひつ要。


3
善のなかに自己あり, 自己捨て,なお不純,
わがこころはわがてき, なおのぞみありや?


4
奉仕に自己意思あり, 愛にはこのみあり;
うごくも,しずかにすも, 自己そこにひそむ。


5
自己に満つきゅう創造, われ,離だつしたい;
主よ,なれのえいこうが こころに満ちませ。


6
主よ,あえていのれず, 主を見つめるのみ;
ながことばをつかわし, 栄こう啓示しませ。




慕い求める―自己を離脱することを

316

1
われはめぐみを受け, あたえるものとなる;
自ぶんを知りつつも, 分を越えてしまう!
かみのまえに生きて, ひそかに自己をほこる。


2
ひとの耐え得ぬ苦難, わが人せいに満ちる;
ひと知れぬくるしみ, われつよく耐える;
自己捨てたと言いつつ, 自分の経験わすれ得ず!


3
われめぐみに満ちて, 他にまさるとおもう!
われのうちとそとで, 主のみわざ見いだす!
わがうえでのみわざ, 何とすばらしいか!とおもう。


4
自分のすばらしさを, われはみな知っている;
知らぬうち,たかぶり, 自己ちゅう心となる;
わが手のマナすでに くさり,無駄になっている。


5
ともが来てなぐさめ, どうじょうをしめせば,
たかぶりがあらわれ, 忍たいはなくなる;
失敗し,自分をのろい, 真の状たいあらわれる。


6
つたえ聞いたことを, かたることできるも,
堕らくした自ぶんは, いまだへん化なし;
たまものにてほこり, めぐみで自己たかくす。


7
されど,いまなれ見る, なが聖にばく露され,
ひかり,栄光のもとで, 照らされて,悔いる,
いかに自己に満ちて, けがれたものか悔いる。


8
何という恥ずべきこと, めぐみで自己かざり,
はたらきを利ようし, 自己たかく上げる;
わが動機はいやしく, 勝利さえ恥ずべきもの。


9
けがれをきよいとし, にくさえも良しとす;
何というはじ,もうもく! 何とおろかなわれ!
無知で自己を義とし, 主のえいこうもぬすむ。


10
わが腐敗,主は知るも, われは知らずにきた,
自己をたよることは, 何と恥ずべきこと;
われをすくいたまえ, なわ目より解きたまえ。


11
主よ,われのねがいは, ちりのなかに伏して,
わが身にはい,かぶり, 堕らく悔いること;
われに尽きないはじ, 腐はいしたこころあり。


12
わがことば,不正かく, いのちは何とあさく,
こころはけがれ満ち, われにぜんはなし;
われは自己をにくむ, わがのぞみ,主にぞある。




慕い求める―自己を離脱することを

317 (英418詩)

1
われを打つかぜから, のがれるいのりから,
代価おそることから, 前進しない虚偽から,
あまえるおのれから, 主よ,われを解放しませ。


2
安易えらぶこのみと, おびやかす態度から,
(これは霊つよめない, 十字架ふくまない),
十字架,覆うものから, 主よ,われをすくいませ。


3
愛するこころ,信こう, のぞみ,情ねつあたえ,
うみにしずませずに, わしのよう,のぼらせ,
だい胆に前しんさせ, われを燃やしたまえや。




慕い求める―恵みを

318 (英429)

1
十字架の主を, 信仰もて見る,
わが主よ!
すくいぬしに 完全にぞくす,
われ,いまより, 主のもの。


2
主よ,めぐみで, うちをつよめ,
燃やせや!
血ながした主, ふかくあいす,
真剣,純しんに, 主を愛す。


3
われ,なやみと 苦難に遭うも,
みちびけ!
なみだぬぐい, われ,まもれや;
ながみち行き, したがう。


4
人生ゆめのよう, 死のあらしが,
おそうも,
めぐみあたえ, おそれのぞき,
のぞみ,へい安, 満たせや。




慕い求める―恵みを

319

1
われは無りょくで, たんどくでは立てず;
主に依りたのみ, みなしゅくふくとなる。


(復)
日ごと,まい時, めぐみをもとむ,
主よ,ご自しんを, さらにけい示しませ。


2
わがみち,孤どく, つかれて,うたもなし;
みち知らぬわれ, 主よ,みちびきたまえ。


3
感かくが変わり, すべてに価値,失せる;
目が見えぬとき, わが主はいとちかし。


4
主のかえりみと, 秘みつのりんざいで,
われはよろこび, 孤どくを耐えしのぶ。


5
つき日,過ぎ去り, 死のかわわたるとき,
よわさをおぼえ, 主よ,めぐみをしたう。